「第二次地価暴落が始まる」 

不動産コンサルタント技能     河合恭伸 著

第一次地価暴落は「劇症性」でしたが、この次の第二次地価暴落は「慢性疾患」です。気づかないうちに既に暴落が始まっていることを予告します。本書を読めば、今回の地価暴落が日本経済の成熟と環境の変化に基因した必然的な結果であることがわかります。

 

<まえがき>

 我が国経済は、先頃土地バブルがはじけて大きな痛手を受けましたが、漸くその後遺症も癒えてきました。現在、企業は戦後最長の「いざなみ景気」にあって、息を吹き返したかに見えます。しかし、その底流に新たな波乱要因が潜み、その影響が大きく現れ始めています。

 先頃、今年の基準地価が発表されました。そのなかで、全体の平均地価は上昇に転じたと報道されています。土地価格が上昇に転じたとする理由は何かが判れば、今後の地価の動向を予測することが可能になります。併せて、我が国のフアンダメンタルズがどのような状況にあるのか理解できれは、今後の地価動向をより正確に予測することができます。

 この二つの大きな潮流を分析したとき、金融業界や不動産業界に長らく従事している著者としては、我が国の地価は住宅用地を中心にして、暴落を始めていると見ています。なぜ、この時期に新聞報道とは逆のことを言うのか。そのような結論になるのかについては、本文の中で説明したいと思います。

 日本経済は有史以来、あまりにも長く「土地本位制経済」のなかで発展してきました。従って、人々の意識は現実の姿を見ても変えることができずにいます。「土地神話」が崩壊した中で、地価が下落すれば、その持っている資産価値も下落します。円が下落すれば日本全体の資産価値は減少するのと同じです。しかし、国内にいると円の下落の実態に気づき難いものです。地価が暴落する予兆があるのではないかと予感しても、実感として把握し難いようです。

 不動産業界に身を置くものとして、新聞報道のように「地価が上昇に転じました」と言っている方が商売がしやすく、業績の向上が図りやすい。しかし、本当に顧客のためを考えれば、いま新聞報道のように地価が上昇すると言ってはいけない。一刻も早く、時の流れを理解して資産を整理し、近く顕在化する地価暴落に備えるように説明することが必要であると考えています。不動産業界に携わり、真に顧客のためにあるべき者の態度であると考え、敢えて本書を出版しました。
  本書を読み、我が国の経済の現状を理解できた方々は、きっと今後の資産管理のあり方や経済的活動を選択するときの一助になると信じています。

平成19年 吉日                                 河合恭伸 識

 

-----------   目次  -------------

まえがき

一 基準地価にみる動き

二 バブル経済の清算

三 わが国経済の現況
  1 少子高齢化社会の始まり
  2 人口移動の始まり
  3 用途別に見る地価動向

四 少子高齢化社会の中で
  1 必要とされる住宅
  2 住宅に対する要望の変化
  3 余剰住宅の実態
  4 賃貸住宅の余剰
  5 グローバル化の影響
  6 生活スタイルの変化

五 資産三分法を読み解く
  1 資産三分法の根拠
  2 資産価値の現況
  3 商業地は何故上がったのか
  4 住宅地は何故上がったのか

六 地価の推移
  1 人口増と経済状況
  2 土地神話の形成
  3 土地バブルの発生と終焉

七 隠れた土地暴落の原因
  1 個別に見る土地価格の動き
  2 バブル後の不動産需要
  3 下げ止まった地価

八 暴落し始めた地価
  1 人口半減の恐怖
  2 日本経済の基調はどうか
    イ 少子高齢化社会の出現
    ロ 人口大移動が始った
    ハ 工業立国の中身が変った。
  3 地価の二極化が始まった
  4 日本経済の復調と地価
  5 一時的現象と基調を見分ける

九 資産管理の見直し
  1 資産三分法は有効か
  2 投資対象を厳選する
  3 これからは賃貸か所有か

十 地価下落時の市場
  1 不動産市場への影響
  2 地価下落による悪影響
  3 地価下落によるプラス面

十一 結 び
  1 第一次地価暴落の性格
  2 第二次地価暴落の性格
  3 地価暴落への対処

 

 

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