「恐るべき真実」 

不動産コンサルタント技能     河合恭伸 著

財務省も認める日本財政危機が迫っています。
米国経済問題と地球環境問題と共に、
破綻に備えてください。

 

<まえがき>

 本書のタイトルは余りにも刺激的に見えるかも知れません。しかし、政府の発表するレポートや日々の新聞報道を整理していくと、危機は目前に迫っているにも拘わらず、余りにも多くの日本人が、現在の平穏な生活が永遠に続くかのような錯覚の中で、生活を楽しんでいるように思えます。本当にこれでいいのでしょうか。このままではとんでもないことになりますよ。いまこそ警鐘を鳴らさなければならないとという焦慮感から、この本を出版することにしました。

 不動産業に従事する著者として、さきに少子高齢化社会に突入するわが国の行方について少し掘り下げて勉強しました。その結果、平成一九年夏ころ、新聞紙上では地価が上昇に転じたと報道していましが、とんでもない認識違いであると「第二次地価暴落始まる」(エンジェルプレス刊)を出版しました。その結果、大変な話題を呼び、新刊本が売られているにも拘わらず、中古本の方が高い金額で取引されるほどの好評を頂きました。

 こうした勉強の延長線上で、日本経済、世界経済をさらに掘り下げて勉強する必要に迫られ研究を進めるに従い、世界が、日本が、いまやとんでもない状態に置かれていることが明らかになってきました。その結果「恐るべき真実ー近づく世界経済の破綻」という極めて刺激的なタイトルで公表することになりました。多くの読者から「第二次地価暴落始まる」のときも、タイトルを見てセンショーナルな標題であると思ったが、読んでみて真摯な内容に感銘したと、コメントを頂きました。今回の題名も一見センショーナルに見えるかも知れませんが、著者としての偽らざる思いを込めたものです。

 世界に目を広げたとき、宇宙の星空に漂う地球号の同じ乗組員であり、地球規模で人類の交流が行われているにも拘わらず、各国は自国のことにのみに囚われて、世界全体に対する目配りや環境に対する配慮がなされずにいます。その結果、世界経済は混沌とし、地球環境もズタズタに引き裂かれ、世界各地に地震や津波が起こり、異常気象の爪痕が残され、地球規模での飢餓が拡がろうとしています。まさに世界経済は収拾のつきかねる様相を呈しています。個々に見ればまだ少しは時間が残されているように見えても、人間の欲望の大きさに押されて時間切れになろうとしています。しかし、いたずらに悲観するだけでなく、自分のできる範囲で身を守り、助け合えるところは助け合って、この難関を乗り越えていきたいものです。

 もう少し身近な日本経済に目を転じたとき、世界経済や地球環境問題より先に、信じられないような事態に直面していることが分かりました。本当は、この本を書く決心をしたのはわが国の現在の危機を、一人でも多くの人にいち早く知って頂くためのものです。しかし、世界経済の中にいる日本として、もう少し視野を広げた形で著書を出す必要に迫られて本書が生まれました。ここに書かれている結論に達するため勉強した内容は、既に多くの人々の目に触れている情報ばかりです。しかし、漫然と眺め、人ごとのように感じていた事実も、すこし整理して読みこなしてみると、とんでもない事実が歴然と横たわっていることに気づきました。自分も含めて、何故、皆がそのことを言い立てないのか不思議な感じをしています。余りにも事が重大なため、却って知らぬ振り、見ないふりをしようとしているのでしょうか。巧みな情報操作が行われているという人もいますが、総てを人任せにしている国民性のなせる技としか思えません。そんなことは分かっている、財務省が発表している資料で既に明らかではないかと仰る識者も何人おられます。高名な元財務官や大学学長は勿論、当の財務省主計局も警鐘を鳴らしているのです。口を揃えて危機の到来を発表されています。しかし、その声はかき消されて国民的な規模にまで至っていません。著者はそれらの資料を著者なりに消化して、この本で紹介させて頂きました。

 わが国の場合、太平洋戦争で敗戦を喫し、惨憺たる廃墟の中から国民は営々として努力に努力を重ね、いまではGNPで世界第二位の経済大国を築くことができるまでになりました。しかし、日本国を運営する政治家や高級官僚に人を得ず、自らの利益、省益の拡大にのみ専念し、談合体質の抜けない業者らが、巨大な寄生虫となって日本経済を食い散らし、いまや奈落の底にたたき落とす寸前の所までにしてしまいました。各政党は耳慣れのよい政策を並べ、国民に痛みの伴う必要な施策を提案しょうとせず、いたずらに時間を空費しているように見えます。政府も国民に現在わが国が置かれている状況について十分説明しません。否、説明することによって起こる社会的混乱を恐れているのかも知れません。何れにしても、必要な施策について自信を持って提案する気概が求められます。近く起こるであろう経済破綻にいたる横暴を、今日まで許してきた国民にも大きな責任はありますが、ここまでにしてしまつた政治家や官僚、官僚OBが天下っている業界の所行が許されるものではありません。しかし、問題が差し迫っています。如何にしてこの難関を乗り越え、輝かしい日本の未来を再構築していくかにかかっています。殆ど時間は残されていません。

 日本はいま世界に類を見ないスピードで少子高齢化社会に入っていこうとしているのに、何ら有効な手を打とうとしていないことに、世界は大きな失望感を抱いています。日本文化や工業力の素晴らしさに「ジャパン・クール」と憧れを頂いているのに引き替え、政治が余りにも貧困で、その落差が大きいのに驚いています。日本再建に当たって、改めてよきリーダーを育てることの重要性と、本当に国民生活の向上に繋がる政治体制確立の必要性が痛感されます。その期待が果たして叶えられるのでしょうか。

 本書の執筆に際し、混沌とした世界経済を検討するとき、まずどのような視点で読み解けばいいのかということについて、著者なりに幾つかの鍵を用意しました。その鍵を用いて問題を整理し、事象を眺めて頂ければ複雑な内容も自ずと理解しやすくなるのではないかと思っています。次に、第一次世界恐慌の内容に触れました。これは近く始まると予想される世界不況への理解を深めて頂くためです。同じ世界不況といっても、その性格が全然違った原因によることを理解して頂くためです。続いて、世界経済の中心にある米国経済の動向を理解しておきたいと思います。好むと好まざるとに拘わらず、米国経済の動向が世界経済の今後を大きく左右するからです。米国の経済活動の結果が、大きなファクターとなって世界経済を揺るがしつつあります。とくに、米国が国際基準通貨の地位を得ているだけに、その動向がわが国を始め世界各国に及ぼす影響が甚大であるだけに問題は深刻です。加えて地球の環境問題を抜きにして将来を語ることができないほど深刻な状況にあります。口では自国こそ環境問題についてリーダーシップを取って活動している国であると言いながら、本当は他国に問題を押しつけ、自国経済優先の施策を優先してるとか、全く地球環境や自国民の健康状態に無頓着な発展途上国の行動を見るにつけ、今後どのように対策を取ればよいのか考えて頂きたいと思います。

 これらの問題も重要ですが、こうした問題がより現実化する以前に、我が国経済の根幹を揺るがす問題が大きく顕在化されようとしています。著者は日本経済の破綻は避けられないと考えています。それより、問題は混乱のあとにくる社会をどのように構築していくべきかが、重要な問題であると考えています。世界経済、環境問題、日本経済の問題は、常にオーバーラップし顕在化してきますので注意が肝要です。

 最後に日本人の多くが不動産の形で資産を形成していることや、不動産業界に身を置く者して、少子高齢化社会が進展するなか、今後不動産はどのようになっているのかという問題にも、少し触れておきたいと思います。すでに国富の大部分を占める不動産価格の暴落が始まっています。このまま無策に過ぎると、さらに国富の多くを失い、国家再建の足掛かりを失うことになることを憂慮しています

平成20年 吉日                                 河合恭伸 識

 

-----------   目次  -------------

まえがき

機∪こε経済の読み方
    一,世界経済の現状
    二,たて糸としての流れ
    三,よこ糸としての作用
    四,模様に対する影響

供第一次世界恐慌

掘∧胴餬从僂瞭宛
   一,基軸通貨としての米国
   二,米国国債とは
   三,ドル流出の世界的な影響
   四,サブムライム問題
   五,三つ子の赤字
   六,米国に景気後退は起こるのか
   七,ドル下落の時期
   八,ドル暴落の影響

検環境問題
   一,地球環境の激変
   二,後進国の進出
   三,食糧問題
   四,資源争奪戦
   五,排出権取引
   六,わが国の進路

后△錣国の財政
   一,財政の現況
   二,国債についての知識
     1,国債の種類と発行
     2,国債の保有状況
     3,公債累増への対策
     4,郵貯・簡保の資金
   三,一般会計と特別会計
   四,官僚組織
     1、官僚組織の全貌
     2,ある特別会計
     3,ザ゙厚労省
   五,ムーディズの評価

此∈眄破綻
   一,先例に見る財政破綻
   二,米国による日本改善計画
     1,ハーバードレポート
     2,アッシャーレポート
     3,ネバダレポート
     4,米国の対日要望書
   三,日本経済構造上の問題点
   四,財政破綻時の施策
     1,財政破綻の時期
     2,わが国の財政破綻
     3,財政破綻の収束策
     4,具体的な施策
     5,内外に及ぼす影響

察日本再生
   一、日本に誇りを
   二,日本経済と日本国財政
   三,再生のための試案

次不動産業界の動向
   一,いまの日本の姿
   二,いまの住宅政策
     1,住宅政策の重要性
     2,わが国の住宅税制
     3,サフプライム日本版
     4,官僚が業者寄りの政策をとる理由
   三,現状のまま推移すると
     1、少子高齢化時代
     2、余剰不動産
     3、地域格差
     4、日本財政の再建
   四,求められる不動産行政
     1、用途地域の見直し
     2、人口の地方分散
     3,農村の活性化
     4、不要住宅の活用
     5、不動産取引環境の整備

 

 

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