我が国のエネルギー政策 
       (解説)不動産コンサルテングマスター 
           河 合 恭 伸

● まえがき

米国とイランの衝突でタンカーのホルムズ海峡通 行に懸念が生じています。従って、我が国の石油 天然ガスなどエネルギーの8割が通行する海域で の懸念が生じています。この事態に日本のエネル ギー政策はどうあるべきか再検討が迫られていま す。

● 原発関連の現状

日本は2011年の東日本大震災までは、基本的 に原子力、石炭石油関連、水力など再生可能エネ ルギーを各3分の1にして、危機に対処しょうと してきました。

しかし、福島原発が津波で補助電源を失って水素 爆発を起こし、ソ連チエリノブイリや米国スマイ ルと同様の大事故を起こしました。10年近く経 過しても原発の廃炉処理や放射能汚染で帰還不能 の地域が残り、地域のコミュニティを破壊してい ます。

過去の日本の歴史を振り返っても、今回と同様規 模の巨大地震と津波の経験は、同一地域では千年 に一度、場所を変えて日本列島各地で巨大地震が 13回起きたことが判っています。災害の多い日 本での今回の原発事故は想定外では無かったので す。

万一の事が起きれば、狭い日本で原発は、どのよ うな災害が及ぶかの実例が示されました。残留放 射能だけの問題ではありません。加えて、原発を 稼働させれば必ず高い放射能を帯びた核廃棄物が 発生します。

その核廃棄物を使って核燃料に再処理して発電す る「高速増殖炉型原発もんじゅ」は30年経過し ても稼働できずに廃炉が決まりました。核廃棄物 を精製して再利用する予定の核廃棄物精製所六ヶ 所再処理工場も事故続きで建設後27年経過した 今も本格的な稼働に至っていません。

そうしている間にも、既存の稼働原発から排出さ れる核廃棄物は各地原発の敷地内に山積され、永 久処分地への搬入の目処も立っていない。加えて、 福島廃炉原発の地下水汚染水が止まらず、あと1, 2年で限界に近づいています。

にもかかわらず、政府は原発再稼働に望みを託し ている間に事態は刻々と限界に近づいています。 他国は福島原発事故を受けて、既に脱原発に踏み 切っていますが、当の日本の動きが鈍いのが現状 です。

● 再生可能エネルギーの現状

他方、原発問題から再生可能エネルギー(以下再 エネ)の利用が叫ばれています。再エネは風力、 太陽光、水力、地熱などを利用しての発電を指し ますが、全エネルギーの中再エネ依存率がスペイ ン風力18%、ドイツ16%、米国15%となっ ていますが、日本は太陽光5%で、水力6%を加 えても低い水準に止まっていて、専ら天然石油ガ スと石炭に頼っている状況です。

他国に出来て日本で出来ない理由はありません。 水害の多い日本、水力発電の利用で30%は可能 だという専門家もいます。基本的にエネルギーの 多様化で万一に備えることは判りますが、今は限 界の見えた原発は破棄し、早期に再エネに重点投 資を行って、脱石油を図ることが日本の安全保障 に繋がります。

再エネは変動が大きいので扱い難い原発の方が安 定供給可能だとして躊躇している間に、核廃棄物、 汚染水の処理で首を絞められる事態になります。

地球温暖化の防止のため、CO2の削減が叫ばれ るとき、安価な石炭に32%も依存していられま せん。CO2再利用に必要な触媒開発や日本の排 他的経済水域に大量に眠るメタンハイトレードの 採掘の目処が付くまで、太陽光発電に限界の見え てきた今、水力、風力、海流、地熱を中心に再エ ネの開発推進に力を注ぐべきだと思います。

日本のエネルギー危機はホルムズ海峡だけの話で なく、南シナ海の中共進出問題もあります。全体 のエネルギーに占める支給率8%から早期に脱脚 することが安全保障確保に繋がります。再エネは そのための手段でもあります。


 


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