国際化と日本型交渉術の終焉 
       (解説)不動産コンサルテングマスター 
           河 合 恭 伸

● まえがき 日本政府は外国への気配りが過ぎて、日本の利益 を著しく損なっています。日本が他国の政治に忖 度しても、相手国は自国の外交交渉の成果だと受 け取っているだけです。 国際化した現在、他国の慣習にも別な意味で考慮 した外交が求められています。 ● 日本型交渉の特徴 日本には狭い国土に、四季があり、災害も多く、 多くの住民が住んでいるので、助け合わないと生 きていけません。田の水は順番に引くことになり ます。洪水による堤防決壊は村総出で対処しなけ ればなりません。何時、自分も被災者になる可能 性は高い。 そのとき互いに助け合うことで被害を最小限度に 押さえることが必要です。敵同士の殺し合いも限 られた地域に住む限り、徹底して殺し合えば人口 は激減し、災害に遭っても助けを求める相手もい ないことになります。 自然と一定のところで相手を許すことになる。何 時までも敵対していても、毎日のように顔を合わ す相手のことを考えると、相手の立場も考慮した 気配りが必要になります。 その結果、相手の失敗が判っていても口にせず許 す。相手が言いたいことを自分なりに忖度して自 分中で調整して要求を控えめにする。相手もその 気配り心の中で感謝し、提案を行って妥結する。 これが日本人が培ってきた交渉術です。 ● 諸外国の交渉術 グローバル化した現在、多くの国と外交交渉をす ることになりますが、相手も相手なりの従来から 取ってきた交渉スタイルで対応してきますので、 日本流に相手を忖度しても、その気持ちが通ずる とは限りません。 中国は広い大陸で色々な民族が覇権を競ってきま した。武力に勝る者がその土地を支配するのが当 然という「易姓革命」が是認されています。 その支配者のいる場所が世界の中心との中華思想 が育ち、周辺国は夷狄であり、支配されて当然、 朝貢するなら許すという感覚です。従って、住民 の総意により政権があるのでなく、住民は武力に より支配されるもの、支配権を維持するためには 武力が必要なので軍拡思想が強い。その意味で尖 閣諸島も武力を背景に侵略しょうとしてきている のです。 韓国は隣国中国と地続きなので常に侵略され、支 配されてきた。明の軍人が朝鮮に封殺されて朝鮮 王となった国です。そのため伝統的に基本思想は 「事大主義」です。長いものに巻かれることで生 き延びてきたのです。 そのため卑屈な心理が働く民族になっています。 そうした者の常として、自分より弱小国を見つけ たい心理が働き、中国より遠い日本に対して優越 感を持ちたがります。 そのため明治政府が外交文書に「皇」の文字を用 いるのは不遜とする「書契問題」が起き、外交に 大礼服で訪問したことに反発する「服制問題」が 起きます。 中国はこうした朝鮮を強圧的に押え込むことで支 配権を確立してきました。両国とも敵は徹底的に 殲滅しないと、その子孫からどんな復讐を受ける か判らないので、敵に墓も作らせないし、作った 墓を暴いて死体にむち打つことが当然と考えてい ます。 日本人が敵国の将兵の霊を慰める社を建てる気持 ちは到底彼らには理解できないでしよう。そこに A級戦犯合祀、靖国神社参拝の文化摩擦が起きる のです。 欧米諸国も地続きで多くの国が林立し攻防を繰り 返す歴史を重ねてきました。英国首相チャーチル が外交は最大限の要求を相手に突付け、その後の 交渉により妥結点を見つけるものなのに、日本人 は当方の提案を受入れるので、更に高い要求をし てもまた受入れる、こうして交渉が進むが、ある 時点になる烈火のごとく反応してくる。不可解な 民族だと言っていますが、トランプも同様で、高 いハートールの要求を突きつけてきています。 ● 新時代の外交 西郷隆盛が「話せば判る」と朝鮮へ特使として行 くことを提案したが、他の閣僚に拒否されたとし て政界から去りましたが、そんな単純な世界では ないのです。 昔、秀吉がキリシタン禁教令を出したのはザビエ ルが布教を隠れ蓑に日本人を奴隷として売りさば いていたからですが、その本当の理由を忖度して 隠して教えない歴史教育が長年続けられてきまし たが、早急に改める時代になっています。 以上


 


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