- 建築部材についての基礎知識 2 -



太陽光発電
環境に対する意識が高まり、CO2の排出が少ない省エネ機器にについての関心が高まっています。自然の恵みである太陽熱や光を有効に使えないかと考えるのは自然な発想です。一頃、太陽熱によりお湯を沸かす温水器が流行りました。しかし、いまは熱効率や屋根加重等の問題から、シリコン半導体に光が当たると電気が発生する原理を利用した、太陽光発電に取って代わっています。

ソーラー発電システムとも言われる太陽光発電は、一般家庭で通常使われる年間3.6KWの発電能力を持つシステムを設置した場合、その80%の電気の削減が可能と言われています。その他、オール電化(IHクッキングや給湯貯湯機を使う)をした場合、電力会社は電気料金を特別に安くするサービスを行っていますので、その制度を利用すれば、さらに経費の節減ができます。その他、自動的に売電余剰電力を法的に電力会社に売ることが可能になっていることや、災害時の復旧も早く、機器の設置により夏場は屋根裏の温度を下げる効果があります。

また、省エネ効果として、石炭や石油による化石燃料により発電した場合に比べ、SOx、NOx等が削減できます。一般家庭のCO2削減効果は1014Kg、原油で732L削減、植林2839屬冒蠹すると言われています。

本体や電線などの耐用年数は20年ですが、パワーコンデショナーは15年です。鳥の糞や雪、ゴミなどは、雨が自然清掃の役割を果たしてくれるので、特別な場合を除いて手入れは殆ど不要と言われています。
費用は70万円/屬任垢、補助金が7万円/崢度(時期、地方にり異なります)あります。その結果、使用状況な日照時間などにより一概に言えませんが、総額250万円程度で償却年数20年といわれています。政策的にもっと価格が引き下げられれば、一層の普及が期待できそうです。
一方、技術革新も進み、最新情報では平均1セル5Vの電圧を、15Vに昇圧にNTTに成功したとのことです。これが実用化に成功すれば、太陽光発電のコストも大幅に下がることが期待されます。
タイル
建築材料としてタイルの起源は紀元前5千年からと言われ、紀元前35百年前にエジプトで釉薬を使ったタイルが発見されています。
一般的な四角く扁平な陶磁器のものは、長石、陶石、粘土を原料として、粉砕混合して均質な素地を作り、成型し焼成して作られます。このとき、粉砕が不十分だと強度が弱く、表面にザラツキが生じます。また、焼成温度と焼成方法に配慮するなど、品質管理を徹底して色ムラのない製品を作るよう求められています。とくに、最近は環境問題から廃ガラスや陶磁器屑なども素材として積極的に利用されるようになってきています。
タイルは「吸水率」により磁器質タイル、せっ器タイル、陶器質タイルに分かれます。「用途」より内装、外装、床、モザイクタイルに分けられています。
「材料」からは従来の四角い陶磁質のタイルの他、煉瓦や石に似せたセメント系ブリックタイル、自然石に似せたセメント系人造石、高耐久性、高耐候性のあるセラミックタイル、色々な表情の天然石をそのまま利用するものなど様々な物が市場に出回っています。
床などに使用されるものは、耐候性、吸水性、耐摩耗性、耐衝撃性が求められ、無釉薬のものが多く使われます。外装に使われる物は耐候性、防水性、防火性、清掃性に優れ、色むらの少ないものが求められます。その他用途として、建築資材として用いられるだけでなく、スペースシャトルの耐火被覆、装飾としてのモザイク、絵画の永久保存等幅広く利用されています。
畳は日本書紀や古事記にも記載されてますが、平安時代に天皇の寝所に用いられたとの記述がある古い生活用品です。桃山時代に茶室で用いられるようになり、江戸中期以降になって一般庶民にも普及するようになりました。
畳は夏の花の咲く前に刈り取ったイ草を選別し、泥染乾燥したものを棉、麻糸で織り上げた畳表と、厚み40冂の稲藁を5冂度に圧縮して作った畳床と、畳縁からできています。最近は化学材料を使った畳表や、ポリエスチレン等の発泡材を芯にし、稲藁や防虫シート挟んだ建材床が多数出回るよになりました。
畳は繊細な日本文化が育んだ特産品で、イ草特有の匂いによる森林浴効果の他、弾力性、防音性、吸湿性、断熱性、保温性、難燃性に優れた建材です。畳1枚で500ccの水を無理なく吸放出する他、有害な二酸化窒素を一酸化窒素に代える働きもあります。
畳の大きさは、関西以西で使用されてきた京間は長辺191僉¬掌轍庵亙の中京間は182僉江戸間は176僂斑亙により様々です。住宅公団が使用した団地サイズは170僂靴なく、京間の4.5畳と団地の6畳と殆ど同じになります。その他畳縁のない琉球畳や、メーターモジュールに合わせた畳もあります。
畳の敷くとき防虫効果を期待して新聞紙など下敷されると,却って湿気を呼びます。濡れ雑巾による掃除は仕上げに使っている泥染料を落とすので、渇いた雑巾や掃除機で掃除するのが正しい扱い方です。部屋の換気に注意すればカビは生えません。日焼けによる変色は、固く絞った雑巾に、酢をぬるま湯で薄めたものを含ませて拭くと、ある程度キレイになります。
断熱材(1)
省エネ対策として家を断熱材で囲うことが常識なってきました。その断熱材としては、回収廃ビンを再生して作るグラスウールや、鉱滓を利用するロックウールが最も多く、次に石油から作る発泡樹脂断熱材が多く使われています。
住宅金融公庫ローンの建築仕様として、従来の「グラスウール」10K-50个ら、次世代基準として16K-100个了斗佑鵬められました。そして、防湿フイルムによる厳重な防湿施工を求めています。その主な変更理由は、この変更によって室内温度が旧基準10゚Cが次世代基準で3゚C程度に向上することと、防湿フイルムが不完全な場合、内断熱材として使用
しているグラスウールに結露が生じ、壁の内部から木材が腐食してくることが分かったことです。
費用は従来工法のグラスウール等に対し、次世代基準でグラスウール施工すると、従来工法の6倍の費用がかかると言われています。吹き付け発泡ウレタンの場合は約3倍ほどで済み、「板状発泡ウレタン」は2倍程で収まります。
グラスウールはその材料の性質から柱と柱の間、外壁との内部に充填する内断熱工法になります。板状発泡ウレタンの場合は内断熱工法の他、外壁に貼る外断熱工法の場合もあります。万一火災になった場合、グラスウールは少し発煙する程度で済みますが、発泡ウレタンの場合は有毒な黒煙が多量に発生すると考えられています。
断熱材(2)
断熱性能はグラスウール100に対し、板状発泡ウレタン130、吹付け発泡ウレタン187と言われています。グラスウール自体の性能劣化は殆ど見られませんが、発泡ウレタンには多少の収縮が見られるとのことです。
グラスウール自体は素材の性質から吸湿性はないのですが、室内で発生した湿気がグラスウールでストップし、その中で結露することに問題があります。
そこで防湿フイルムを完全施工することを求めていますが、耐用年数は問題になっていません。
発泡ウレタンの場合は内部に湿気が侵入することが殆どありませんので結露もありません。万一火災に遭っても石膏ボードで火はストップするので、有害な煙が発生することは殆どないとされていますが、危険防止からも外断熱材として使用することが賢明と思われます。
従来、多く使われてきたグラスウールや発泡ウレタンの他に、最近は2伉度の厚さに塗る、断熱性能のある塗装を「塗る断熱材」工法(主に建物全体を外部から塗装する)や、古新聞などを原料に作られる「セルロース断熱材」による充填施工が注目を集めています。
塗る断熱材は、熱伝導率0.05、浸水性0、10dBの防音性能、150゚Cの耐熱性能、10年程度の耐久性があると言われています。
セルロース断熱材は米国で主に利用され、吹付け充填工法なので気密性が高く、断熱性能も発泡ウレタン並の性能がありながら、万一の時の発煙も少なく難燃性があり、有毒ガスが発生することもありません。費用も板状発泡ウレタン程度であると言われています。
地下室
建築基準法上が平成6年に法改正がなされ、地盤面から1m如何にある部分は建築面積に算入されないことになりました。(建施令第2条2号)従って、容積率がそれだけ緩和されるので、狭い敷地を有効に利用することが出来ます。 しかし、居室(住居・執務・作業・集会・娯楽・その他これらに類する目的のため継続的に使用する室)として利用するには、地上と同様の採光、換気が保てることが必要です。

地下室を作る場合、土地の状態により掘り下げて作る場合と斜面を掘ってつくる半地下式に分かれますが、深いベタ基礎方式(この場合は床下室と云います)と地下室として完結したものや、斜面を利用した半地下室にわかれます。

工法的には、設置場所を掘削し、そこに下水管のカルバート管を埋設するものや、RCで空間を作るもの、鋼製パネルを現地で組み立て空間を作り、その周囲をコンクリートで埋め戻す方法がありますが、最近は鋼製パネルを利用したものが殆どで、防水的にも優れています。空間的には、建物基礎部分の下すべてを地下室の空間に当てる規模にすることが好ましく、坪庭にも利用でき、採光、通風を確保したドライエリァを持ち、上の建物と完全に独立した構造のものが理想的です。

地下室は耐震性に優れ、遮音、吸音にも優れ、恒温なので居住性にも優れていますが、快適な空間を作るためには、そのままでは目的が達成できません。換気と除湿にも配慮して「熱交換型吸排同時換気扇」を利用し、防音のためにドライエリアや出入り口のドァに二重サッシを用いるなどの配慮が必要です。
地下室を設置するには、まず地盤調査を行い、土質、地耐力、地下水の状態を把握してから作業にかかることになります。
電 線
電線と言う言葉から電気を導く金属線をイメージしますが、最近は光ファイバーケーブルのように、ガラスファイバーなど金属以外の素材も使われています。電線とケーブルの区分はありませんが、一般に構造が複雑で太く、外装のあるものをケーブルと呼んでいるようです。

電線は日常生活に欠くことの出来ない資材で、社会における役割は極めて重要です。その電線は幾つかに分けられますが、使途による区分として、電気エネルギーを輸送用する「電力用電線」は送電線から家庭内の配線まであります。「通信用電線」は電気による通信で音声、画像、データを送るもの。「光ファイバーケーブル」は電気信号を光信号に変換して送電するシステムに用いるケーブルです。

「巻線」は発電機のように機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するためのものがあります。その他、銅、アルミ、ガラスファイバーなどの材料による区分、線、縒り線のように構造による区分、被覆の有無による区分もされています。

トップライト
自然の採光は、私達生活環境や作業環境に欠かせないもので、明るい方が快適です。そこで太陽の光を積極的に活用し、日中は照明なしで明るく快適な空間を実現し、通風にも配慮できる、上方に取り付けた窓を「トップライト」「天窓」「スカイライト」「ルーフ窓」等と言います。取付位置は屋根の一部を切り取る方法や、子屋根を作って窓を設ける方法がありますが、その周辺の積雪や雨じまい、結露、地震による緩み、飛んでくる異物による破損の他、使用する枠のサビによる破損、採光部分の黄ばみや破損、採光と通風との切替方法の問題、取付部分に落ち葉などの異物の堆積による建物の損傷、建物の断熱効率にも配慮が必要です。

最近は、これらの問題を解決した製品が市場に出回っています。落下物の防止ネット付、断熱性能に優れFRPで黄ばみや特殊紫外線吸収剤を配合した耐候性に優れたもの、二重ガラスや形状も平面から球形、三角などもあります。網入ガラスの錆びによる破損のため破片飛散防止フイルムの貼ってあるものもあります。取付位置も夏直射日光が入ってくる南西向きは避け、日陰になる北向きや二階の陰になる位置が好ましい。空が見える透明なガラスもよいのですが、状況により物の腐敗を促進することもあるので、スモークなものも検討されると良い。通風をかねる場合は、その開閉方法を手動と電動の何れを検討されるとよい。

最近は優れた材質が開発され、水族館等で使用されたり、天窓にわざと水を溜めて、その水の揺らめきの影を部屋に取り込む試みも見られます。
塗 料(1)
一口に塗料といっても、簡単に説明することができないほど多くの種類があります。昔から使われている塗料として漆、柿渋、ベンガラ、ニス、ヒバ油、ヒノキ油、クレゾール、蜜ロウ等はいまも使われていますが、原料に大豆油、ボイル油、油ワニスの天然素材の他、塩化ビニル樹脂等の石油製品を使用した合成樹脂塗料に代表されるような工業製品が、あらゆる場面で使用されるようになりました。従って、いまでは「塗料」と言えばこれら工業製品を指すようにもなっています。
塗料が使用される目的も幅広く、美観や防水、防虫、防腐、防菌の他、錆び止めのように製品の素地保護等を目的にしたもの、蛍光塗料、防腐塗料、断熱塗料のような使用目的のもの。直接塗布して利用されるもの、その他、例えば、プラスティクやアルミのように塗装し難いものを、塗装しやすくするための下地用塗料、その他絶縁塗料なども開発されています。
こうした工業製品の場合、溶剤その他様々な添加物が利用されていて、それが例え微量であっても環境ホルモンを放散し、人体に悪影響を及ぼすことが分かってきました。そこで、近年、とくに建物内部に使用される塗料の原材料には厳しい目が注がれるようになっています。
塗 料(2)
従来からよく利用されてきた工業製品塗料として、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系フッ素樹脂系等の塗料には、それぞれの特徴がありますので、これらを適所に利用されることが重要です。しかし、専門家でない場合、その使用方法を理解することは難しいので、詳細の説明は省略します。こうしたスタンダードな塗料の他に、最近、新しい塗料が次々開発され、色々な分野への利用が広がっています。
塗料にセラミック粒子を混ぜて、熱伝導率が0.05という断熱塗料が最近開発されました。これを外壁に3亳程度に塗装し、断熱材として利用したり、鉄骨建物の耐火被覆材として、300C゚程度になると塗膜に発泡が起こり、断熱層を形成する塗料も開発され、従来使用され、ロックウールに代わって鉄骨造建物に利用されています。
また、酸化チタン等を混ぜた塗料は、光触媒作用で抗菌、防カビ、脱臭に効果があるので、従来、シックハウス症候群の防止には、換気する以外に余り有効な方法がありませんでした。新建築基準法では1時間に0.5回以上の換気回数を保つようとの換気設備の設置を義務付けています。この塗料の場合、ホルムアルデヒドや有機リン系化合物を吸着し、室内の空気汚染防止に有効な塗料として実用化されてきました(新鮮な空気に依る酸素の供給は必要です)。
これからは、こうした新しい塗料の知識が行き渡り、積極的に利用されていくこと思います。
塗り壁
最近の壁は石膏ボードの下地にクロスを貼る「乾式工法」が殆どです。昔のように下地に竹を組んで土を塗り、仕上げの壁土を塗る「湿式工法」は稀になりました。それでも和室には本来の壁土をということで、下地は石膏ボードであっても土壁仕上げにされることがあります。
こうした湿式工法に使われる塗り壁の材料として、昔からある聚楽土などの天然素材を使った「土壁塗」消石灰を主原料にする「漆喰壁」、化石土の「珪藻土」、石膏や石灰を主原料にして水で練った「プラスター塗」、繊維質の素材に糊材料なじませたもの水で練った「繊維塗壁(綿壁)」、その他、モルタルを使う「モルタル塗」等があります。
その中で「珪藻土」が注目を集めいます。これは植物の藻が化石になって出来た土で無尽蔵にあり、漆喰や土壁よりも調湿、吸湿に優れて結露防止の効果もある他、撥水性や防火性にも優れている。また化学物質の吸着力は驚異的で、タバコの悪臭のもとになる微量物質や二酸化炭素も吸着するということでカビ発生予防、シックハウス対策に有効であるということです。珪藻土は色も選べ、パウダー状にして土壁のよう厚さ3伉度に塗ったり、タイルに加工して利用し、様々な仕上げ効果を楽しむことが出来るようになってきました。
また昔からある「漆喰」や「プラスター」も白色が素材の色ですが、これに色素を混ぜて柔らかでしっとりした質感を楽しむ試みがなされてきました。一方、「繊維壁」は耐久性に劣るところがあり、最近では余り利用されなくなりました。

 

 

 

 

 

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